電話対応に必要な3種類のクエスチョンとは

看護師にとっての電話対応は患者の表情を見ることができない分、さまざまな質問を投げかけながら情報を引き出していくことが重要になる。患者の情報を効果的に引き出すためには、まず質問が大きく分けて3つに分類されていることを理解しなければならない。それぞれどんな特徴があるのだろうか。

3種類の質問とは、ナチュラルクエスチョンとクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンだ。名前や年齢、職業などの基本的なことを確認する質問がナチュラルクエスチョンに該当する。昨日は十分な睡眠がとれましたか、腹痛の症状はありますか、などのイエスかノーで答えられる質問はクローズドクエスチョンだ。看護師が発する言葉の量のほうが多くなるため、患者との間に対等な関係が成立しにくいという側面もあるが、言葉で説明することが苦手な患者に対しては効果を発揮した事例がある。これに対し、何か気になる症状はありますか、普段はどのような薬を服用していますか、といったイエスかノー以外で答える質問がオープンクエスチョンだ。短時間の電話対応でも多くの情報を引き出せるという特徴がある。

病院における電話対応はナチュラルクエスチョンで基本情報を得た後に、オープンクエスチョンに入っていくのが原則となっている。クローズドクエスチョンを多用すると患者がフランクに話す余地が乏しくなるだけでなく、看護師が必要な情報を聞きもらしてしまうリスクが生じるからだ。患者が話した内容と声のトーンから判断しなければならない電話対応では3種類の質問の特徴をよく理解し、上手く使い分けていく姿勢が求められる。